コロナと反日

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新種コロナの感染拡散が沈静化しつつある韓国では、15日に行われる総選挙に向けた選挙運動の真っ最中だ。事実上の両党体制で維持されている韓国政界では、与党の「ともに民主党」と保守野党の「未来統合党」との国会議席過半数争いが熾烈だ。

そこで、文在寅(ムン・ジェイン)政権下半期の国政運営を安定的に維持するための与党の総選挙必勝戦略は、国民の反日感情を刺激することに傾いている。

3月末、「ともに民主党」の対外秘文書である「総選挙戦略広報遊説マニュアル」というものがメディアを通じて広く知られるところとなった。「未来統合党は、日本政府には限りなく屈従的だが、文在寅政府にむけては非難ばかりしている」「世界で日本と未来統合党だけが文在寅政府の防疫を批判している」「国民は今回の選挙を’韓日戦’と呼んでいる」などの発言で、未来統合党に「親日フレーム」をかぶせろという内容を盛り込んだ文書が各選挙キャンプに配られ、積極的に活用されている。

政権支持者らもインターネットを通じて「選挙は韓日戦」というフレームを熱心に繰り広げている。各サイトで「選挙は韓日戦」というキャッチフレーズをばらまき、「投票で100年間の親日清算!」という垂れ幕を制作、街頭に掲げた。日本植民地時代の独立運動家の安重根(アン·ジュングン)と文禄・慶長の役に活躍した朝鮮時代の将軍・李舜臣(イ·スンシン)の肖像画を描い垂れ幕について、韓国中央選挙管理委員会は「投票を促す」という理由で「問題ない」という立場を示している。

「NO NO JAPAN」運動を主導した勢力である「安倍糾弾市民行動」などの市民団体は「親日派のいない国会作り」キャンペーンを推進中だ。コロナ感染拡散を受けて主にオンラインで活動している彼らだが、オンライン投票を通じて「NO NO 候補」を選定してホームページに掲載した。彼らが選んだNO NO 候補は、1位に羅卿ウォン(羅卿瑗)議員、2位に黄教安(ファン・ギョアン)未来統合党代表など、ほとんどが未来統合党の所属で、彼らは未来統合党を親日政党と規定している。

釜山の日本領事館に侵入した前歴のある大進連(韓国大学生進歩連合)は「未来統合党は日本党」という選挙キャンペーンソングを作って配布中だ。映画「パラサイト」でも登場した「独島は我が領土」という曲を改詞したこのキャンペーンソングは、「70年間の親日積弊が末永く生き残った」「不正腐敗に性的犯罪、犯罪の温床」などの歌詞を含めている。黄教安(ファン·ギョアン)代表と(ナ·ギョンウォン)候補の顔に日本の侍の服装を合成した写真も作った。

韓国メディアが伝えた総選挙世論は、文在寅政権と与党に対する支持率が野党をリードしている。コロナ感染拡散の局面に素早く対応した韓国の防疫が文政権の支持率を高めるのに寄与し、コロナ問題によって文政権について否定的な社会、経済的問題がニュースに登場しないようになったからだ。韓国メディアの予測どおりなら、総選挙では与党の勝利が予想される。

しかし、コロナによる本当の危機は「選挙後」に訪れる可能性が高い。コロナウイルスが免疫力の弱い人に致命的なように、コロナパンデミックによる世界的な経済危機は、すでに弱まっている韓国経済に致命的な結果を招きかねないからだ。韓国の経済界では、日韓間の通貨スワップの再開の必要性を訴えているが、票のために反日感情を煽っている文在寅政権と与党がこれを受け入れるはずがない。韓国におけるコロナ危機はまだまだ続くだろう。

李正宣

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