新型コロナウイルスと文政権の危機

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青瓦台 ウイキペディアより

中国・武漢で発生した新型コロナウィルスが全世界的に急速に広がっている。特に韓国は、1月20日に初の国内感染者が発生してから45日後の3月5日には感染者が5000人を超えるなど、人口比から見れば、中国より多い感染者率を見せている。

毎日雪だるま式のように増えていく感染者数が韓国社会を「コロナパニック」に追い込んでいる中、総選挙を控えた文在寅(ムン・ジェイン)政権は2017年5月の政権発足後、最大危機に直面した。野党では公然と弾劾を取り上げており、怒った国民は大統領府と国会の請願掲示板で大統領弾劾を要求している。

2月4日、大統領府のホームページに設けられた請願掲示板には『文在寅大統領の弾劾を要求します』というタイトルの請願文が掲載された。

「今の新型コロナウイルス事態において文在寅大統領の対処を見れば見るほど、韓国の大統領ではなく、中国の大統領のように思われます。(中国ばかり気にしている)文在寅大統領を韓国大統領だと思えなくなりました。弾劾を促します」

韓国では、新型コロナの発生当初から「中国からの韓国内への人的流入を禁止すべきだ」という声が世論の中に絶えず起こっていた。専門家集団の医師協会や感染学会も、中国人の入国を制限すべき、という考えを何度も示してきた。

 しかし、文在寅政権は2月4日に、武漢をはじめとする湖北省からの渡航に対してのみ入国制限措置を実施するとしただけだった。文大統領の弾劾を求める請願は、まさにこの日の措置に対する不満の表れなのだ。

請願文は文在寅政権関係者たちの妄言を機に急速に同意を得て行った。

与党の共に民主党の洪翼杓(ホン·イクピョ)首席スポークスマンは、新型コロナ感染者が爆発的に増加している大邱(テグ)と慶尚北道(キョンサンプクト)地域に対して「封鎖政策を展開する」と明らかにした。「大邱·慶尚北道を’感染病特別管理地域’に指定し、通常の遮断措置を超える最大限の封鎖政策を施行し、(感染)拡散を早期に遮断する」 洪氏のこの発言は韓国国民から、「中国のことは阻止しないのに、大邱は阻むのか」という強い反発を招いてしまった。

コロナ対応の主務部署である保健福祉部の朴能厚(パク·ヌンフ)長官の軽率な発言も、韓国人の怒りに油を注いだ。 朴長官は、「なぜ中国人の渡航を制限しなかったのか?」という野党議員の追及に対し、「(新型コロナ拡散の)最大の原因は中国から入ってきた韓国人だ。そもそも(原因は)中国から入ってきた韓国人という意味」と返答し、世論から大きな反発を浴び、「名誉中国人」「中国福祉部長官」との揶揄を受ける事態となっている。

国民の世論とかけ離れた政権関係者たちの妄言は、韓国国民の怒りを文在寅大統領に向けさせ、大統領府の請願掲示板の大統領弾劾を求める請願文は140万人以上の同意を得た。

国会にも同様の請願が掲載され、10万人の同意を得た。韓国国会では30日以内に10万人以上の同意を得た「国民請願」は、正式に受け付けられて所管の委員会に付託される。所管委員会での審査後本会議に上程するか、又は本会議に付議しないかを議決するようになる。

国会の第1野党の未来統合党の沈在哲(シム・ジェチョル)院内代表はすでに、「4月の国会選挙で院内第1党になれば、文在寅大統領の弾劾を推進する」と公表している状態だ。

韓国メディアは、コロナの防疫失敗で大統領が弾劾される可能性はほとんどないと展望した。

ただ、文在寅政権には、大統領府の主要人物が関わっているとされる蔚山市長選挙介入疑惑に対する検察捜査も待っている。蔚山市長選挙介入疑惑事件とは、文大統領の「新友」の宋哲鎬(ソン・チョルホ)氏を2018年6月の蔚山市長選挙で当選させるため、大統領府が蔚山警察庁に相手候補に対する警察捜査を指示したという疑惑だ。多くの韓国メディアでは、検察の刃は最後には文大統領に向けられると見ている。

今回の総選挙で共に民主党が惨敗するなら、文在寅大統領の前途は極めて険しい茨の一本道ということになろう。

李正宣

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