韓国公捜処  【韓国配信記事】

NO IMAGE

韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権の念願だった「公捜処法」が昨年の12月30日、ついに国会を通過した。これで、韓国憲法のどこにも存在根拠のなかった「公捜処(高級公職者不正捜査処)」が設置されるための法案が作られ、文在寅大統領は、政権末期の権力弛緩を防御する強力な司法機関を手に入れることとなった。

 公捜処法によると、捜査対象は大統領を含む国務総理、国会議員など次官級以上の公務員と、広域団体長・教育監・大統領秘書室・国情院3級以上、そして判事・検事、警察官などだ。このうち、警察·検事·判事に対しては公捜処が直接起訴もできる。

 もし、検察捜査と事件が重複する場合は公捜処に捜査優先権を与える。また検察は、高級公職者に対する捜査を開始する前に、必ず公捜処に事前報告をしなければならない。 公捜処組織は、検事25人、捜査官40人以内で構成される。公捜処長は国会から2人の候補推薦を受けて、大統領が任命する。

 以上の内容から、新設される公捜処は政権に掌握される司法組織に転落する恐れが非常に高い、という点から韓国メディアの非難が集中している。

 まず、公捜処の組織は徹底的に政権好みで構成できる。公捜処長候補を推薦する推薦委委員会は7人の委員のうち2人だけが野党推薦である。(国会だけではなく司法部と弁護士団体も推薦委員会の構成に参加する)それさえも文在寅政権の第2部隊の役割をしている進歩系の群小野党連合が1人、唯一の保守野党の自由韓国党が1人だ。ここで推薦された2人を大統領が最終選出するのだから、政権と親しい人物が選出されることは火を見るより明らかだ。

 大統領によって選出された公捜処長は公捜処検事を任命する。公捜処検事は現役の検事に限られるのではなく、経歴5年以上の元検事や判事、調査員にも応募できる資格が与えられる。すなわち、現政権の核心支持勢力である「民弁(民主社会のための弁護士の会)」出身者の大挙布陣となる可能性が非常に大きい。

 さらに、検察が捜査開始前に公捜処に事前報告をしなければならないという義務条項は、検察の捜査機密が漏洩する可能性が生じる。場合によっては政権側に渡される恐れもある。

 重複する事件は公捜処に優先権を与えるという条項は、すでに検察が捜査中の権力型スキャンダル事件を公捜処が横取りすることができるようになる。すなわち、現在、検察が捜査している曹国不正事件や大統領府の選挙介入事件は、公捜処が新設されれば直ちに公捜処に移転する可能性が非常に大きくなった。

 現在韓国では文在寅政権の主要人物らが関与したと疑われる3大スキャンダルがある。

「柳在洙(ユ・ジェス)監察無視疑惑事件」、「蔚山(ウルサン)市長選挙介入疑惑事件」、「ウリドュル病院の特恵貸し出し疑惑事件」だ。

 柳在洙事件とは、2018年、大統領府の高位公職者の査定機関である民情首席室が当時、金融委員会金融政策局長だった柳氏の収賄容疑などをつかんで監察に着手し、有力な証拠を多数確保したが、柳氏に対する調査が突然中止されてユ氏の不正容疑を隠蔽してしまったという疑惑だ。

 蔚山市長選挙介入疑惑とは、文在寅大統領の「親友」である宋哲鎬(ソン・チョルホ)氏を2018年6月の蔚山市長選挙で当選させるために、大統領府が警察権力などを利用して組織的に動いたという疑惑だ。

 ウリドュル病院の貸し出し特恵事件とは、政権の中心人物に近いウリドュル病院が銀行から貸し出しを受ける時、不法な特恵があったという疑惑だ。

 今年の7月に新設される公捜処により、検察が捜査を進めている3大疑惑の行方は大きく変わるだろう。

李正宣

記事カテゴリの最新記事