曺国(チョグク)とろうそく  【韓国配信記事】

曺国(チョグク)とろうそく  【韓国配信記事】

韓国からの配信記事です。

チョ・グクとろうそく

韓国社会が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近であるチョ・グク氏のスキャンダルで連日騒がしい。韓国メディアによって浮かび上がった疑惑の数々は、


① 父親の財産を相続する過程で負債回避を狙って、家族同士で「偽装訴訟」をしたという疑惑、
② その過程で起きた弟夫婦の「偽装離婚」疑惑、
③ チョ氏の妻の財産隠匿のための「偽装売買」疑惑、
④ 彼が74億ウォンの投資約定を結んだ正体不明のプライベート・ファンドをめぐる「詐欺」疑惑、
⑤  地方に住みながら、子どもをソウルに進学させるために「偽装転入」(実際の住んでいる所でない他地域に住所地だ けを移転すること)をした疑惑
⑥ そして娘と息子の「大学入試における不正」疑惑――などだ。


結局、彼は韓国野党によって11件の容疑で告発され、韓国検察は27日、チョ氏関連の20か所に対する同時多発的な捜索・押収を電撃実施した。
文在寅政権発足から2年半にわたって大統領府の民情首席秘書官を務めていたチョ・グク氏は現在、法務部長官(法相)内定者として、国会で開かれる人事聴聞会に備える準備に没頭している。


検察を指揮する法務長官候補が検察の家宅捜索を受けるという前代未聞の皮肉な状況の中でも、チョ氏を法務長官に任命するという文在寅大統領の意志はまだ堅固なものとみられる。チョ氏も「荷物(任務)を下ろすことはできない」と、持ちこたえる意思を明かした。

文在寅大統領の政治地盤の釜山(プサン)出身のチョ氏は、文在寅政権の「改革のアイコン」であり、文在寅大統領の後継者として知られている。そのためか、与党「ともに民主党」は所属議員に「対応マニュアル」まで配布し、チョ氏を守ることに躍起になっている。


ところで、このような文政権と与党の態度に最も激怒している人たちが、政権の核心支持層と言われていた20代と30代の若者たちだ。
チョ氏のスキャンダル以降、韓国の大学街では「ろうそくデモ」が広がりつつある。チョ氏の母校であり、現在も教授として在職中のソウル大学では二回のろうそく集会が開かれ、延べ1千名以上が出席した。チョ氏の娘の母校の高麗(コリョ)大学と釜山(プサン)大学でもろうそくデモが続いている。今やチョ氏の疑惑と直接的なかかわりのない大学へまで波紋が広がっている様子だ。これまで、韓国の歴史的な転換局面には必ず若者たちのデモが登場した。

1960年、李承晩(イ・スンマン)政権当時、不正選挙に憤った若者たちの「4.19革命」は、李承晩政権を崩壊させた。80年代、「光州事件」で抬頭した全斗煥(チョン・ドゥファン)の独裁政権に対抗した若者たちの「6月抗争」は韓国政治の民主化を主導し、軍事独裁を終息させた。そして記憶にも新しい朴槿恵(パク・グネ)政権も、若年層が中心となった「ろうそく集会」が引き金となり、弾劾によって幕を下ろした。このような歴史をたどってみると、若年層の怒りの矛先が進歩政権へ突き付けられたのは文政権が初である。文在寅大統領は2017年5月の就任演説で「反則と不法が許されない社会を作る」とし、「機会は平等に、過程は公正に、結果は正義であるように」と強調した。そんな文大統領が、数多くのスキャンダルと国民の怒りにもかかわらず、チョ氏に対する法務長官任命を強行するのであれば、若者の怒りは一層高まるに違いない。ろうそく政府を自負する文在寅政権が、そのろうそくによって朴槿恵政権と同じ轍(わだち)を踏むことも十分にあるのだ。

李正宣

写真説明
2005年秋、ソウル中心部を流れる清渓川(チョンゲチョン)の遊歩道にできた「希望の壁」。埋め込んだパネルを見つめる小学生たちが今、政権への怒りの先頭に立っている。(2005.11.23撮影)

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