「金が信念(謹賀新年)」 【コラム】

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「金が信念(謹賀新年)」――臆面もないジョークで飾った年賀状を貰い、愉快な気分で今年が明けた。それから五か月、日本をとりまく状況は少しも変わらない。その頃したためた雑文を読み直してみたが、何の違和感もなく読めてしまうから不思議だ。年頭の新聞社説の引用はいささか旧聞で恐縮だが、おつきあい願いたい。
 年末年始、偶々書店で手に取った『朝鮮半島「永世中立化」論』(池東旭、中央公論社)を読み、●読み残していた『親日派のための弁明』(金完燮、草思社)にも、ついでに目を通した。
 読後感はすっきり。首相の靖国神社参拝になすりつける毎度ながらの難癖に辟易する諸氏には、ぜひとも一読をお薦めしたい。
 著者はどちらも韓国人。前者は朝鮮半島をめぐる諸議論を、古代からの歴史をたどりつつ認識を整理し、直面する状況に焦点を合わせている。いま最も真っ当な教科書ともいえる一冊。後者は一時話題になったが、韓国内では「青少年有害図書」に指定された事実上の発禁本だ。
 両書に共通するのは「日帝36年、日韓併合は韓国にとって幸せな時代だった」と主張する部分。恨(ハン)を抱く大方の韓国人は真剣に怒り出すに違いないのだが、「その原因は歪曲された歴史教育にある」と徹底批判して明快だ。
 両書を下敷きにした訳ではあるまいが、朝日新聞は念頭の社説で「アジアに夢を追い求め」と、大東亜共栄圏を持ち出した。百年前の水師営の会見を枕にステッセルが登場し、孫文までもが現れて大アジア主義を説く。「日本はといえば、自分たちの過去を顧みず」と相変わらずの歪んだドグマを前提に、EUに比した夢物語を、無責任に弄ぶ。将にキチガイの戯言だ。
 対して読売、産経は申し合わせたように「脱戦後」「悪しき戦後からの脱却」と愛国心に傾斜する。
 そもそも、この愛国心という言葉の幻影に惑っているのが今の日本人の現実。先に挙げた書籍が解きほぐす韓国のショウビニズム(過激な愛国心)と厳格に峻別する知的作業を措いたまま議論するのは難しい。というか、無理と相撲をとっても時間の無駄。匙を投げるより他に術があるか。
 だから、はっきり言えばよい。憲法改正大賛成。9条を見直して自衛隊を正規軍と認め、ついでに第一章(天皇)も削除せよ。韓国、中国の妄言を排除し、日本人として自立するには、さしたる御利益もない皇室を八百万の神の居場所へお帰り願うのも一方策。誰か朝日とナベツネの耳に吹き込んでやれよ。  (醒)

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