阪神タイガースに優勝マジックが点灯した 【コラム】

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 阪神タイガースに優勝マジックが点灯した。強いというより、負ける気がしない。長年のファンにとっては、例年のハラハラドキドキ感がなく、却って充足感に欠けるというものだ。「オールスターも済んでまへんで」と言いつつも、うれしいような、恐いような、キツネにつままれたような気分だろう。
 一方では、近鉄バファローズがいい位置にいる。主砲のケガに苦しみながらも、西武とくんずほぐれつ、ダイエーに離されることなく追いすがる。大阪府の太田房江知事ではないけれど、「ひょっとしたら」と思い描く人も少なくないだろう。
 関西経済の起爆剤とか、一千億円を超す経済効果とか、景気のいい呼び声だけでもうれしいものだ。とはいえ、阪神側にとっては、近鉄以外とやるほうが、儲かりまんねん」ということらしい。現金なといおううか、欲望の果てしなさといおううか、これまた人間らしくていいだろう。いずれにせよ、結果あってのモノダネだから。
 阪神と近鉄といえば、西九条から難波まで阪神電車が延伸して近鉄電車と直結する計画(3・8㌔)が再始動した。完成すれば大阪ドームの客の入りも改善するだろう。三十年余も中断していた間は地元の不満が鬱勃としていたのに、イザとなれば、「高架は嫌だ」「騒音が」「環境が」と言い出して、工事認可の取り消しを求める訴訟が起きている。
 ここまで書けばもう一つ。京阪電車が天満橋から大阪国際会議場前まで延伸する「中之島新線」(2・9㌔)がある。こちらは起工式も済み、来年には着工する。
 ともに第三セクター方式で、総事業費は一千七十億円と一千五百億円とか。それぞれがタイガース優勝の経済効果並みだが、業界にとっては野球のような勝負事とは違い、努力次第で食い付ける、目の前にぶら下がった大きなニンジンだ。
 その努力にまつわって、いつもながらの善からぬ声が聞こえてくる。得をした者、し損ねた者。必ず両方がいるのだから、その種の話を封じ込めることはできない。浮かれているのもいいけれど、そっと、耳を澄ませて聞いてごらん。(醒)

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