「朝鮮総連は北朝鮮との関係を絶て!」 【コラム】

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「朝鮮総連は北朝鮮との関係を絶て!」--総連人士と会う度にそう説得するのだと、日本に滞在する韓国の友人から聞いた。表向きの身分は別だが、彼はさる諜報機関の一員だ。
 「ひと昔前なら、とんだ対北工作だな」と顔を見合わせたが、「今更、当たり前の話を咎めるヤツもおらんわな」と頷きあった。
 民族の誇りを尊び、相互理解に努力する在日朝鮮人の姿には頭が下がるが、背後に傲岸不遜な本国が控えている限り、多くの共感を得るのは難しい。「自立した民族運動を目指せ」という彼の助言は現実的だ。
 先日、こんな話を聞いた。長らく、恐らくは五十年近く日本国内で活動を続けた金剛山歌劇団の公演が、今になって受け容れられなくなっている。昨年は、拉致問題の露見で公演中止に追い込まれた。今年は、「我が国は核兵器をすでに所有している」発言で暗礁に乗り上げた。片手に凶器を持つ相手が握手を求めても、誰が応じようか。総連の人々の努力を踏みにじるのは日本人ではない、総書記自身に他ならない。
 総書記が韓国大統領を順安空港に出迎えた2000年6月の映像は、当事者だけでなく、見守る者にも希望の光を振りまいた。
 その輝きが失せる間際、総連大阪の委員長は「本国の統一に時間がかかろうとも、大阪では出来ることをまずやる」と、大阪民団と手を携え、翌年3月に「ハナ・マトゥリ」の祭典を開き、サッカーのワールドカップがあった昨年6月には、両団体の幹部が北と南に相互訪問を果たし、韓国チームに声援を送った。
 その委員長が昨年末に失脚した。民団との過度の交流が理由なら頷こう。破たんした朝銀の受け皿信組に日本人理事長を受け入れたからなら、それも一つの現実として納得しよう。
 本国と直結した東京の総連中央の差し金と、誰も疑わないのだから。そんなことまで糊塗するのかしら?
 「委員長失脚のワケは下半身問題」と、聞こえよがしの陰の声が流れた。本人の人柄を知る筆者は事実とは思わないが、勇退を仮装したうえで汚名を着せるやり方にヘドが出た。
 いいかげんに目覚めよ、だ。彼の任務が共和国の転覆工作だったとしても、かくも親切で率直な忠告をしてくれるだろうか。(醒)

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