「無理が通れば道理が引っ込む」 【コラム】

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20030407 新聞大阪.TXT

 「無理が通れば道理が引っ込む」。逆説的な諺だと信じてきたが、とんでもない。まさに究極の至言だと、この度、思い知らされた。
 新天地を求めて先住のインディアンを殲滅し、黒人奴隷を踏み台にした人々。
 彼らの所業はしばしば人類に反省を促したが、当事者は何ひるむことなく、わが道理を貫いてきた。
 「そうでなければ、地球・人類を導くリーダーにはなれない」との冷厳なテーゼは、「虫けらのように死ぬ人々が、今わの指先に力を込めた、その引き金の先にいた賢者もまた命を落とす」という感傷的な言辞と同様、疑いのない真理だ。
 であるならば、なおのこと、この戦争が導き出した損益を、きちんとしたバランスシートにしてほしい。誰が儲けて、誰が損をしたのか。その結果、人類はどれほどの幸福を得たのか? 戦争の遂行に関わった人々は自らの行為の評価を、後世の歴史家に託すなどとの逃げ口上を弄ばず、即座に明かす説明責任がある。
 それにしても、我が国の総理大臣は情けなかった。ブッシュの戦争に盲従し、「アメリカに立ち向かう勇気がなければ、日本を攻めることはできない」と、何やら訳の分からない言葉を吐いて国民に背を向けるばかりだ。
 せめても、日本人の拠り所に立って、道理のあることを言え。たとえば、「フセインを排除するなら核攻撃あるべし。我々は二つもの原子爆弾を浴びて叩きのめされたが、見事に立ち直ってアメリカを支持しているではないか」と。
     
 小泉総理の無能が、疑いようのない事実として明らかになったのは、今度の戦争の数少ない余録なのかもしれない。
 自分自身の器の大きさを自ら悟ったのかどうか、永田町辺りから最近聞こえてくる話は、早くも<戦後>を指向している。
 「小泉は本心から、総裁再選を望んでいない」
 「小泉が古賀誠(前幹事長)への禅譲に思いを馳せている」
 「本気で改革をやるなら、古賀の方が実行力がある」
 「それ(古賀総裁の実現)を阻もうと、亀井静香が躍起になっている」
 未確認情報だが、はて、頷けなくもない。 (醒)

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